「人事評価制度を見直して、がんばっている社員の給料を上げてあげたい」
「働きに応じて、本当に公平に給料をしはらってあげたい」

人事評価制度を作りたい、見直したいという社長は、口をそろえてこうおっしゃいます。それでは、人事評価制度の目的は、「賃金を分配するしくみを構築する」ということになるのでしょうか?

もちろん、賃金・賞与を分配し、社員の処遇を決定する、ということも、人事評価制度のひとつの機能に、というものがあります。しかし、人事評価制度の最大の目的は、賃金や賞与を決めることではありません。

人事評価制度の目的は、「会社の理念や経営目標の実現に社員が一丸となって取り組む風土づくり」です。そのためには、「うちの会社では、こういう仕事を行った社員を評価します」ときちんと打ち出し、社員に伝え、会社の理念や経営目標実現に貢献した社員をその貢献度合いによってきちんと評価することです。

こうして、会社は社員が経営目標に貢献することで業績の向上を図り、会社の理念や経営目標を実現していく、一方社員は、会社に貢献することにより、認められ、自分の成長を感じ、処遇も向上していく、という好循環を生み出すことにあります。

そのために必要なことは、難しく考える必要はありません。「社員が言われたことしかやらない」ことが問題なのであれば、人事評価制度の中に「しくみ」として会社の考え方や価値観を盛り込めばよいのです。具体的には、職務基準書や、人事評価シートに「自分自身で考え、自己の判断と創意工夫で業務を行うことができる」社員を評価する、きちんと書くことです。

要は、職務基準書や人事評価シートに経営理念や経営目標に基づいた「会社が社員に求めること」「個々の社員が成長しキャリアアップするためにやるべきこと」をきちんと表現することが重要です。若手社員に求めることは何か、リーダーや管理職に求めることは何か、幹部社員に求めることはなにか。それをきちんと制度化し、社員に伝え、ベクトルあわせを行い、公正に処遇していくことで、会社の風土を変えることができるのです。