新潟市・長岡市の社労士法人です。就業規則、人事評価制度、働き方改革支援、メンタルヘルス、労基署の是正勧告対応等、3名の社労士が得意分野を生かしてサポート致します。

6.人事制度の「7つのしくみ」とは

人事制度はどのような手法や名称でも次の図に示す「7つのしくみ」でできています。これらの「7つのしくみ」が、会社の価値観である「経営理念」や達成すべき「経営計画」と「個人の価値観」「キャリアビジョン」(=個々の従業員の成長)と結びつくことにより的確な制度運用が可能となります。

「7つのしくみ」の①~③が人事評価制度の評価の視点を示します。

①成果評価(目標管理など)
アウトプットされた業績や成果を評価します。評価時点より前にアウトプットされたものを評価しますので、いわば「過去の評価」となります。通常は設定した業務目標の達成率によって評価されます。

②プロセス評価(発揮能力評価)
成果評価が仕事の結果を評価するのに対し、仕事のプロセスを評価します。普段の仕事ぶりや個人が発揮した能力を評価します。ここで評価する能力はあくまでも発揮された能力であり、また仕事に直結する能力です。「このような能力を発揮すれば、近い将来の業績向上につながるはずである。」と考えられますので、いわば「近い将来の評価」ということができます。

③執務態度評価
執務態度評価は、会社が示す「このような姿勢で仕事に取り組んでもらいたい」という「心構え」「態度」などを評価します。具体的には「時間やルールを守る(規律性)」「急に仕事を頼んでもいやな顔をしない(積極性)」などです。例えば、「時間を守る」というのは直接的には仕事の能力ではありません。しかし、このような姿勢や心構えで仕事に向き合っていれば、いずれは会社に貢献することができるはずだ、といういわば「遠い将来の評価」といえます。

【評価の視点のまとめ】
この①~③の評価の視点を組み合わせることにより、正しい評価を行うことができるといわれています。
例えば、まだ職務能力が身についていない新人は、成果はなかなか上げられませんし、発揮できる能力も限られています。そこで、新人の時期に身に着けてもらいたい会社の価値観や職業人としてふさわしい行動の項目である「執務態度評価」に大きなウエイトをおいて評価します。
これに対し、管理職、幹部社員などのマネージャークラスは、「ルールを守る」「率先して業務を遂行する」などは当たり前で、なんといっても「目標を達成する」「会社業績に数字で貢献する」「会社の経営計画通りに人材を育成している」などが求められます。このような上位階層の社員には執務態度よりも「成果評価」「プロセス評価」のウエイトを大きくして評価します。
この3つの視点を組み合わせることにより、個々の社員の「経営理念や経営計画に会った頑張り」を適切に評価できるだけでなく、経営理念や経営計画と連動した人材育成を促す効果やモチベーションの向上も期待できるのです。

④人事考課
「成果評価」「プロセス評価」「執務態度評価」の3つの視点で収集された人事情報を総合的な判断により各社員の「処遇(昇給・昇格・賞与など)」「配置」「教育訓練の方針」などを決定します。
ここでは、各評価者の誤差(評価の甘辛、「期末誤差」「寛大化傾向」「中心化傾向」などの評価エラーなど)の補正を評価委員会などで話し合うことで行い、より正確で納得性の高い人事考課を行うしくみを構築します。

⑤処遇
人事考課の結果に基づき、各社員の昇給・賞与など金銭的な報酬に反映させたり、昇格による職務等級のランクアップを行います。昇格することにより通常の昇給よりも高い昇給(昇格昇給)が行われたり、役職就任のチャンスが広がります。

⑥配置転換
人事考課の結果に基づき、経営計画や本人の希望などに基づき、現在考えられる最適な人員配置を行います。

⑦教育訓練
人材育成型人事評価制度において最も重要といえるしくみです。人事考課の結果を各人にフィードバックし、現状の成果や職務能力とあるべき姿とのギャップについてや、執務態度の問題点を上司と部下で話し合い共有し、コミュニケーションと指導を活性化することにより社員の成長を促します。ポイントは短期的なダメ出しに終わるのではなく、会社の中長期的なビジョンの中で本人の成長(キャリアアップ)との関係性を話し合い、「こういう役割を果たすことで職場に貢献できるんだ」「それが自分のこういうキャリアアップにつながっているんだ」というところまで上司と本人で共有しイメージすることです。

【人事評価制度の7つのしくみ、まとめ】

一時期一世を風靡した成果主義の人事制度が失敗した理由は、「成果」のみで評価して中長期的なやるべきこと(プロセス評価、執務態度)を評価するしくみが欠けていたこと、評価した結果も「金銭的報酬」にのみ結びつき、その他の仕組み(特に教育訓練=人材育成)がまったく機能していなかったことが原因です。
したがって、評価の視点は「成果評価」だけではなく、「プロセス評価」「執務態度評価」をそれぞれの階層に応じバランスよく行うこと、その結果を「人事考課」のしくみにインプットすることにより的確で納得性のある評価を行うこと、評価結果を「処遇(昇給、昇格、賞与)だけでなく、「配置転換」「教育訓練」にも反映させること、特に評価結果のフィードバックや育成面談等のコミュニケーションの活性化を図り、経営理念や経営計画の実現に向けた具体的な行動に結びつけていくことが企業の業績向上につながります。
また、社員の成長や中長期的なキャリアアップを実現することにより、「成長実感」を感じることによる従業員満足(ES)の向上、離職率の低下、採用力の向上につなげていきます。結果として企業の継続的な発展を実現することになるのです。

受付時間 平日 9:30 - 17:30 TEL 新潟事務所 025-250-0072 長岡事務所 0258-37-5586

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